給湯器の凍結に注意しよう

毎日の生活を快適にするため、欠かせないのが「お湯」です。キッチンでの洗い物やシャワーやお風呂など……「お湯が使えない!」となれば、困る方も多いことでしょう。
さて、各家庭でお湯を供給するために働いているのが給湯器です。当たり前のように使っている住宅設備だからこそ、いざ故障すると非常に困ってしまいます。

給湯器が故障する原因はさまざまですが、「給湯器の凍結」もその中の一つです。なぜ凍結トラブルが起きてしまうのか、どのように予防すれば良いのか、さらに実際に凍結トラブルが起きてしまったときの対処法について、わかりやすく解説していきます。給湯器を長持ちさせるためにも、ぜひ頭に入れておきましょう。

給湯器が凍結する原因とは?

給湯器が凍結する原因とは?

給湯器が凍結する原因は、ずばり寒さです。給湯器はその性質上、内部に水やお湯を通すための管が通っています。
蛇口を開けて水やお湯を使っているときには、この管の内部の水は絶えず動いていますから、凍結することはありません。しかし蛇口を締めると、内部に水が残ります。この水は再び蛇口をひねるまで動くことはありませんから、凍結リスクが高くなります。
給湯器の凍結トラブルが起きやすいのは、「冬場の夜間」です。夜は気温が低くなりやすく、また就寝中は水道を使う機会もなくなります。悪条件が重なって、凍結トラブルにつながってしまうというわけですね。
給湯機の内部で凍結が起きれば、当然蛇口をひねっても、お湯が出てくることはありません。それだけではなく、給湯器全体の故障につながる可能性もあるので注意が必要です。水が氷になることで体積が膨張し、内部の管や機器を破損してしまいます。

給湯器が凍結してしまう原因は「自然環境」にありますが、「仕方がないこと」と諦める必要はありません。ちょっとした工夫をすることで、効果的な凍結予防法とすることができます。

給湯器の凍結を防ぐための四つの方法

給湯器の凍結を防ぐための四つの方法

給湯器の凍結を防ぐためには、以下の四つの方法を意識してみてください。冬季の夜間の気温がマイナスになってしまうような地域であっても、トラブルなく過ごすことができるようになります。

★凍結防止機能を使う

給湯器本体にとって、凍結によるダメージは決して小さいものではありません。給湯器の特性上、屋外に設置されるケースが多いからこそ、給湯器本体に凍結防止機能が備わっているケースも少なくありません。

給湯器に備わっている凍結防止機能には、以下の二つが当てはまります。

  • ・自動ポンプ運転
  • ・凍結防止ヒーター

自動ポンプ運転は風呂給湯器に備わっている凍結防止機能で、追い炊き用の配管を使って、自動で水を流すことで、凍結リスクを低くしてくれます。
気温が低くなったときに自動で行ってくれますから、家族が何かをする必要はありません。どれだけ気温が低くなっても川の水が凍結しにくいように、配管の中に水を流すことで怖い凍結を防いでくれます。
ただしこちらは、追い炊き用の配管を使った工夫であるため、基本的には「ふろ給湯器」のみに備わっている機能となります。
もう一つ、全ての給湯器に備わっているのが、凍結を防止するための専用ヒーターです。給湯器内部に仕込まれたヒーターを温めることで、凍結を予防してくれます。

これら二つの機能が備わっていることで、近年の給湯器はよほどのことがない限り、凍結しません。ただしこれは、凍結防止機能が正しく働いているときのみです。

  • ・コンセントが正しく差し込まれているか
  • ・リモコンなどにエラー表示が出ていないか

等を確認し、防止機能が正しく働けるようチェックしておきましょう。

★水を出しっぱなしにする

凍結予防機能は、基本的に「給湯器内部の凍結を防ぐための機能」です。しかし実際の凍結トラブルを見てみると、水道水を給湯器内に迎え入れるための配管内で凍結してしまうケースも多くあります。
これらの部位のトラブルは、ヒーターやポンプ機能では予防できないもの。別の対策として、「水を出しっぱなしにする」という方法が有効です。
蛇口をひねって水を少しずつ出しっぱなしにしておけば、「流れる川」の状態を人工的に作り出すことができます。動いている水を凍結させることは簡単ではなく、冬季のトラブルも減少させることができます。
「水道代が不安」という声ももっともですが、給湯器本体が故障してしまえば、高額な修理代や交換費用がかかることになります。「ジャージャー」と大量に水を出しておく必要はありませんから、「ちょろちょろ」を意識して、蛇口を調整しておきましょう。

夜の気温がマイナスになりそうなときだけでも実践すると、給湯器を守ることができます。

★給湯器の水抜きをする

「水を出しっぱなしにする」というのは極めて手軽な対策ですが、旅行や入院などで長期間家を空けるときには、あまり現実的な方法ではありません。
昼夜問わず水を出しっぱなしにすれば、さすがに水道代が気になりますし、そのほかのトラブルを誘引してしまう可能性もあります。 長期間家を空ける予定が事前に決まっているのであれば、給湯器の水抜きを行いましょう。水抜きは、給湯器内部に残った水分を完全に外に出すための作業を言います。

気温が下がっても、中に水が残っていなければ凍結するものはありません。給湯器本体に負担をかけることもないでしょう。

★水道管の凍結予防グッズを賢く使おう

水道管の露出部分が長いときには、その部分を守るグッズを使うことで、凍結リスクを減らすことができます。ホームセンターをチェックしてみると、水道管に巻いて使うタイプの凍結予防グッズが多数販売されています。
もしこれらのアイテムが手元にない場合でも、古い毛布や厚手のタオルを巻いておくだけでも、水道管の凍結リスクは減らせます。ぜひ工夫してみてください。

実際に凍結してしまったら? 慌てずに実践したい対処法

実際に凍結してしまったら? 慌てずに実践したい対処法

これらの対策を忘れていた場合はもちろん、きちんと行っていた場合でも、天候によっては給湯器内部の水が凍結してしまうこともあります。
このような場合に対処法を間違えると、さらに給湯器故障のリスクは高くなってしまいます。慌てずに落ち着いて対処してください。 凍結が起きたときの基本の対処法は「自然解凍」です。内部の水が凍ってしまったときでも、時間が経てば自然に解凍されます。凍結時に内部に異常が起きていなければ、給湯器をそのまま使い続けることができるでしょう。
もしも「すぐにお湯を使えないと困る」という状況であるなら、給湯器の給水元栓にタオルを巻き、人肌程度のぬるま湯をゆっくりとかけていきましょう。

このときのコツは、決して熱湯を使わないことです。熱湯をかけると配管が破裂する可能性があり、非常に危険です。少しずつ溶かして、通常の状態へと戻してください。また無事にお湯が出るようになったら、凍結予防策を施しておくこともオススメです。

★解凍されてもお湯がでないときには?

内部の凍結が解消してもお湯が出ない場合には、残念ながら給湯器が故障している可能性が高いです。お湯を使うためには、専門業者による修理や交換が必要となります。

こうなると、自分で対処するのは非常に難しいです。できるだけ早く業者に来てもらうことが重要です。

給湯器故障を避けるために、凍結予防は事前対策が大事

突然給湯器が故障すると、困る方は多いはずです。凍結による故障はいつ起こるかわからず、リスクが高いと言えるでしょう。
給湯器をできるだけ長持ちさせるためには、凍結をきちんと予防することが大切です。そのための機能がきちんと働いていることを確かめ、また特にリスクが高いときには専用の対策を施し、上手に乗り切っていきましょう。
給湯器に備わっている凍結予防機能は、機種によっても異なります。まずは自宅で使っている給湯器にどのような機能が備わっているのか、説明書で確認するところからスタートしてみてください。プラスアルファで必要な対策についても、見えてくることでしょう。

残念ながら凍結による給湯器破損は、保証期間内でも有償となります。余計な費用を掛けないためにも、事前の凍結予防策について注意しましょう。

TOPへ戻る