給湯器を長持ちさせるために気をつけたいこと

お湯を沸かすために欠かせない給湯器ですが、性能の良いものを導入しようと思えば、やはりそれなりのコストがかかってくるものです。消耗品の一つとはいえ、「できるだけ長持ちさせたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

普段あまり意識することがない給湯器ですが、実は使い方によっては、その寿命が大きく変わってくるということをご存じですか?

今回は、今すぐに実践したい「給湯器を長持ちさせるための方法」をご紹介します。今ある給湯器をできるだけ長持ちさせたい場合や、これから購入予定の給湯器を長く使い続けたい場合には、ぜひ参考にしてみてください。

水の使い方を意識しよう

水の使い方を意識しよう

給湯器の故障は、さまざまな原因で引き起こされます。内部の部品の劣化や故障もありますが、中でも多いのが配管の劣化です。このトラブルは、お湯を使う機会が多ければ多いほど、表面化する時期が早まると言われています。

つまり給湯器は、お湯を使う機会が多ければ多いほど、劣化しやすいということ。もしも「水でもお湯でもどちらでも構わない」という場面であれば、水を使った方が給湯器の劣化を防ぐことができます。

給湯器は普段、その電源を付けっぱなしにしている方も多いのではないでしょうか。この場合、「特に意識しないまま蛇口をひねったら、お湯が出てきた」なんて可能性も高くなります。今の自分に必要なのがお水であれば、水栓レバーが向いている方向を確かめて使用するのがオススメです。

また同じ「お水を使う」のでも、給湯器の内部を通る場合と通らない場合があります。給湯器の内部を水が通れば、やはり配管の劣化につながってしまいます。また給湯器内部に結露が生じ、こちらも故障や劣化の原因になってしまうことがあります。

ではどのような場合に、水が給湯器の内部を通るのかについてですが、ずばり「お湯側のレバーが動かされたとき」です。たとえ給湯器のスイッチが入っていなくても、お湯側のレバーが動かされれば、お湯側の配管を使ってお水が供給される仕組みとなっています。

お湯側の配管に冷たい水が流れたあと、温かいお湯を使おうとすれば、配管内の温度差は非常に大きくなってしまうでしょう。内側を急激に冷やされたり温められたりするのは、配管の素材に負担がかかってしまいます。

「給湯器のスイッチが入っていても入っていなくても、お水は水側のレバーで出す」ということが、給湯器を長持ちさせるポイントとなります。

冬場の凍結に注意しましょう

冬場の凍結に注意しましょう

寒さが厳しい時期になると、給湯器の凍結トラブルに悩まされる方も少なくありません。突然お湯が使えなくなれば、「もしかして故障かも!?」と焦ってしまうものですよね。

給湯器の凍結は、基本的に「解ければ使える」トラブルです。慌てて熱湯をかけて解かそうとするのではなく、ゆっくりじっくりと元の状態に戻していくことが、最善の対処法だと言えるでしょう。

とはいえ凍結トラブルが何度も続けば、やはり配管に与えるダメージはどうしても大きくなってしまいます。内部の水が凍結し膨張したときに、配管素材が耐えられなければ、配管破裂につながってしまうでしょう。本体内部の配管でこのようなトラブルが起きれば、給湯器の寿命を縮めることになります。

では具体的に、凍結トラブルを避けるためにはどうすれば良いのでしょうか。

まず現代の給湯器には、多くの場合「凍結防止機能」が備わっています。給湯器の電源を抜いていなければ、たとえスイッチが入っていなくても、この機能が働いてくれるケースがほとんどです。冬季は定期的に、凍結防止機能が正しく働いていることをチェックしておきましょう。

長期間給湯器を使わないときや、寒さの厳しい地域で使用するときには、必要に応じて内部の水抜きを行うのもオススメの方法です。水を抜いてしまえば凍結することもなく、トラブルに悩まされることはありません。水抜きが難しいときには、反対に「水を少量ずつ流し続ける」というのも一つの方法となります。

地道な作業にはなりますが、凍結しやすい露出配管を、断熱材でくるんでしまうのもオススメの方法です。手間はかかるものの、確実に凍結リスクを軽減できます。寒冷地用の配管ヒーターもありますから、冬季の周辺環境に応じて、適切な対策を施してみてください。

定期的な清掃とチェックも重要

定期的な清掃とチェックも重要

給湯器は、陰で私たちの生活を支えてくれている便利な機器です。その存在を意識することはほとんどありませんが、実は定期的に給湯器の状態をチェックし、簡単なメンテナンスを施すことが長持ちさせるためのコツとなります。

給湯器の清掃と聞くと、難しい作業を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、吸気口や排気口の周りにゴミが溜まっていないかどうか確認すればOKです。もしゴミが詰まっているようであれば、きちんと取り除いてきれいにしておきましょう。吸気口や排気口がふさがれていると、給湯器はきちんと働くことができません。故障の原因になってしまうことがあります。

また追い炊き機能を搭載している給湯器の場合には、お風呂側のお湯の出口の清掃も重要なポイントです。フィルターが目詰まりすると、お湯の循環がうまくいかなくなり、やはり給湯器の負担が大きくなってしまいます。お風呂掃除のついでに、しっかりとチェックしておきましょう。もし汚れが蓄積しているようであれば、お風呂掃除用の柔らかいスポンジや、古歯ブラシを使用してお手入れしてみてください。普段は見えづらい汚れも、しっかりと除去することができるでしょう。

給湯器の清掃では、「カバーを取り外し、内部を自分でお手入れする」のは危険なので、避けるようにしてください。給湯器はガスや火、水道などを使う住設機器です。その仕組みは意外と単純ですが、思わぬ事故につながる可能性もありますから、しないようにしてください。

内部を分解してリスクを背負うよりも、給湯器の周りに余分な物が設置されていないかどうかを確認する方が、効率の良い点検方法となります。給湯器の給排気を妨げるようなものがないかどうかをチェックした上で、もしあれば速やかにどかしておきましょう。

また給湯器の状態を定期的にチェックしていると、何らかの異常が起きたときでも早期発見しやすくなります。例えば水漏れや異音など、気になる症状があれば、プロに相談してみてください。早期にトラブルを見つけることができれば、修理できる可能性も高くなりますし、コスト低減にもつながります。

給湯器の使用においては、「なんとなく不調を感じているものの、買い替えるのも面倒で、本格的に故障するまで放置してしまう」なんて方も決して少なくありません。「買い替えになったら面倒だから」とためらう気持ちもわかりますが、結局のところ、早めに手を打った方が良い結果につながりやすくなります。こちらについても、ぜひ意識してみてください。

生活必需品とはいえ、給湯器が故障したときには、その交換費用が気になり、がくぜんとしてしまう方も多いのかもしれませんね。それなりの費用がかかるものだからこそ、一度購入した給湯器は、丁寧に扱ってできるだけ長持ちさせたいところです。

普段から給湯器の仕組みや働き方にまで目を向けて、正しい使い方を実践している方は、意外と少ないのではないでしょうか。ほんのちょっとしたコツを意識して行動するだけで、給湯器の寿命を長くすることができます。せっかくなので、ぜひ意識してみてください。

また給湯器は、家族みんなが日常的に使用している機器でもあります。給湯器を長持ちさせるためにはどのような行動が必要となり、なぜそれが効果的なのかを、家族全員できちんと共有することが大切です。お湯やお水の使い方を見つめ直すと共に、給湯器を守るための生活習慣を意識してみてください。給湯器を長く快適に使い続けることができれば、家族みんなの生活の質も、自然と高まるのではないでしょうか。

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