ヒートポンプ式給湯器エコキュートの機能や特徴

近年導入する方も増えているのが、エコキュートです。「省エネ」や「光熱費ダウン」など、魅力的なワードを目にして気になっている!という方も多いのではないでしょうか。
これまで従来型のガス給湯器を使ってきた方の中にも、エコキュートを導入してみたい!と考える方は増えてきています。しかしエコキュートの特徴を知らないままで導入を決定しても、失敗してしまう可能性も高いでしょう。

よく耳にする「エコキュート」という言葉ですが、具体的にどのような特徴を持つ製品なのでしょうか。導入前に知っておくべきメリット・デメリットを紹介します。

エコキュートとは?

エコキュートとは?

まずは「エコキュートとはどのようなものなのか」という基本的な知識について解説します。

エコキュートとは、自然冷媒ヒートポンプ給湯機の愛称です。電気を使ってお湯を沸かすタイプの給湯器の中でも、「ヒートポンプ」という技術を採用していることが一番の特徴となっています。
ヒートポンプは、外気の熱を機器の内部に取り込んで、その熱を使ってお湯を沸かす技術となります。この「外気の熱」を活用した仕組みは、エアコンにも使われている技術です。
「電気」や「ガス」だけを使う従来型の給湯器とは違って、外気の熱に自然に含まれている熱を活用することで、省エネ性能を高めているというわけですね。「外気の熱なんて、たいしたことないのでは?」と思うのももっともなことですが、外気の熱を集めポンプを使って圧縮することで、想像以上に多くの熱を得ることができます。

エコキュートが発売開始になったのは、2001年のことでした。エコ意識の高まりも後押しして、2018年現在、日本国内で500万台程度が普及しています。

給湯器の故障やトラブルなどで買い替えを検討し始めたときには、候補の一つになることも十分に考えられます。

エコキュートのメリットを知ろう

エコキュートのメリットを知ろう

エコキュートの導入を真剣に検討するのであれば、気になるのが導入メリットについてです。ガス給湯器やそのほかの電気給湯器と比較して、エコキュートにはどのようなメリットがあるのでしょうか。3つのポイントを紹介します。

★光熱費を安く抑えられる

エコキュート導入のメリットとして、第一に語られるのが「光熱費削減効果」です。こちらに魅力を感じ、導入したい!と考える方も多いことでしょう。
エコキュートは、空気の熱をうまく利用してお湯を作り出します。もちろん電気を使いますが、この電気は、夜間の電気代が安い時間を狙って使われています。
夜間電力は、日中よりもかなり安く供給されており、それを使って一日分のお湯を沸かすことで、光熱費削減効果が期待できます。
ランニングコストのみを考えるのであれば、ガス給湯器よりもエコキュートのメリットの方が大きくなるでしょう。

★断水したときも安心

先ほども申し上げたとおり、エコキュートでは、タンクの中に溜めたお水を、夜間電力を使って沸かしています。このお湯を、次の日一日で使うというわけですね。
何らかの不測の事態が起きたとき、地域一帯が断水してしまうようなケースもあります。こんなとき、「当座の水をどうしよう」と悩む方も多いですが、エコキュートであれば、タンク内に一定量の水を確保しておけます。
地震や水害など、不測の事態が非常に身近になっている今、「万が一のときに自分たちが生き延びるための水をどう確保しておくのか」という点は、非常に重要なポイントとなってきています。

エコキュートは、断水したときにタンクから水を取り出して使うことができますから、ごく自然な生活の中で万が一のときのための備えができるというわけです。最近では、経済性よりもこちらの方にメリットを感じ、積極的に導入を検討する方も増えてきています。

★人気商品のため、種類が豊富

エコキュートの販売台数は非常に多くなっており、給湯器の中でも人気商品だと言えます。このため、さまざまなメーカーがエコキュート製品を発売しており、消費者にとっては「自分たちにピッタリの製品を見つけやすい」という特徴があります。
設置場所や水圧、電力、運転音など、エコキュートに求める性能は、家族の生活スタイルによって異なるはずです。また土地の形状に限りがあれば、エコキュートを設置するスペースが取れるかどうか、ギリギリであるケースもあるでしょう。
また近年では、井戸水に対応したタイプのエコキュートも人気を集めています。水道代を削減してくれる井戸水は、生活する方にとって非常に魅力的なものですが、水道水と比較して水質が安定しないという特徴があります。

井戸水に対応しているエコキュートであれば、安心して導入することができます。

エコキュートにはデメリットもある

エコキュートにはデメリットもある

一方でエコキュートには、残念ながらデメリットもあります。こちらを無視したまま話を進めても、失敗に終わりかねません。一度設置したら長く使い続けるものだからこそ、デメリットにもきちんと目を向けた上で導入を検討してみてください。
エコキュート導入におけるデメリットには、以下のようなものが当てはまります。

★導入費用が高い

エコキュートは、ランニングコストだけを見ると非常にメリットが大きいです。しかし実際に設置して運用を開始するまでには、「エコキュート本体費用」や「設置工事費」が必要となります。
現在普及している一般的なガス給湯器と比較すると、エコキュートの本体価格は非常に高価です。スタート時点でのコストを検討すると、圧倒的に有利なのはガス給湯器となります。
その後のランニングコストでエコキュートの魅力は徐々に高まっていきますが、ガス給湯器との本体価格差を埋めるまでには何年もの時間が必要となります。

もちろんその間にも本体は経年劣化をしていくわけですし、故障などのリスクもあります。エコキュートの経済性をチェックするときには、ぜひこうした項目にも目を向けてみてください。

★湯切れのリスクがある

エコキュートは、次の日に使う一日分のお湯を、深夜電力で沸かしています。家族が一日にどれだけのお湯を使うのかを試算した上で、沸かすお湯の量を決定しなければいけません。
もしも何らかの事情があって、普段よりも多くのお湯を使うことになった場合、「湯切れ」を起こす可能性があります。再度お湯を作るまでには時間がかかりますし、また余計な光熱費もかかってしまいます。

エコジョーズなどのガス給湯器であれば、使う分のお湯をその瞬間に沸かすことで供給していますから、湯切れの心配をする必要はありません。ガス給湯器からエコキュートに買い替えた直後には、このようなギャップに不満を抱えるケースも少なくないのです。

★深夜の騒音が気になるケースがある

安くてお得な深夜電力を使ってお湯を沸かすエコキュート。当然ですが、機械が稼働するのは「夜中」となります。エコキュートの設置場所と寝室の間取りによっては、深夜の動作音が気になってしまう……というトラブルもあります。

また騒音が気になるのが「自宅」であるとは限らず、「近隣住宅」に音が伝わってしまう可能性もあります。騒音トラブルに発展する可能性もゼロではありませんから、近隣の住宅との距離が近い場合には、慎重に検討することをオススメします。

★冬季は光熱費が上がりやすい

エコキュートでは、空気の熱を活用することで光熱費を削減する仕組みとなっています。しかし冬季の気温は低く、空気の熱で水を温めることが難しくなってしまいます。

足りない分を補うのはもちろん電気で、その分光熱費は高くなってしまいます。冬季にエコキュートの使用をスタートした場合、想定よりも光熱費削減効果が得られない可能性も。こちらもデメリットの一つと言えるでしょう。

メリット・デメリットを踏まえた上で検討を

エコキュートには、確かに多くのメリットがあります。しかし実際に検討を始めてみると、さまざまなデメリットが存在することにも気付くはずです。両者をきちんと把握して、検討することが大切だと言えます。

給湯器が故障すると、「すぐになんとかしなくては……」と焦ってしまいがちですが、まずは一度専門業者の話を聞いてみましょう。エコキュートと従来型のガス給湯器、どちらの方メリットの方が大きくなりそうか、決定するのはそれからでも遅くはないはずです。

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